【10月15日 CNS】中国・浙江省(Zhejiang)温州市(Wenzhou)の鹿城区(Lucheng)で先月30日、「温州府学文廟展示館」がオープンし、1700年前の府学(学校)の姿が再現された。館内には多くの古文書や碑文、写真など貴重な歴史資料を展示。多くの専門家の知恵が凝縮され、温州市の教育と文化発展の長い歴史を表している。

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 温州に官設学校ができたのは西晋の時代で、1700年以上前までにさかのぼる。最初は県が設立した「横陽学宮」で、西晋の太康年間に平陽県(Pingyang)にできたとされている。府が設立した学校は「永嘉郡学」で、東晋の太寧年間に鹿城区にできたといわれる。

 温州地区では、隋・唐の時代から清末まで続いた官吏登用制度「科挙」に合格した「進士」が1583人もいた。特に南宋の時代だけで1107人を数え、「温州には士が多く、東南部で最たるもの」と古くから言われてきた。

 南宋の政治家・学者の王十朋(Wang Shipeng)、南宋の儒学者・官僚の葉適(Ye Shi)、明の政治家・章綸(Zhang Lun)ら多くの歴史的人物を輩出し、彼らは浙江省南部地区の教育発展に大きな影響を与えた。

 開館にあたり、温州出身の著名芸術家4人が無償で芸術品を寄贈した。儒学の創始者・孔子などの彫刻が含まれている。

 展示館では、歴史の紹介や多くの展示品を通じて、教師をうやまい、教育を重んじる伝統をさらに広めようとしている。今後も研究を進めることで中国の優れた伝統文化と現代文化を適合させ、現代の教育につなげることに取り組むという。(c)CNS/JCM/AFPBB News