【10月4日 AFP】フランスで3日、パリ郊外にある学校の校長が過労自殺したことを受けて、大勢の教員が抗議デモを行い、この校長への連帯を示した。

 パンタン(Pantin)にある学校で校長を務めていたクリスティーヌ・レノン(Christine Renon)氏(58)は先月、仕事の重圧について手紙につづった数日後、校内のロビーで自殺。パリ市内で教員や生徒、保護者らの間に衝撃が走った。

 セーヌサンドニ(Seine-Saint-Denis)県の教育当局の庁舎前では、教員や校長、保護者による数百人規模の抗議デモが行われ、参加した教員の一人は、「私たちの労働環境はひどいものだ。誰でも彼女(自殺した校長)と同じことをし得る」と訴えた。

 レノン氏の遺体は先月23日、学校の管理人によって発見された。その2日前、同氏は同僚約30人に宛てた手紙で、「時間のかかる仕事」の蓄積を嘆き、「極度の疲労」について詳しく記述していた。

 3日の抗議デモはレノン氏の葬儀に合わせて開催され、複数の教員組合によると、セーヌサンドニ県の半数近くの学校が閉鎖されたという。

 仏北部リール(Lille)でも教員数百人が教育当局の庁舎を目指してデモ行進を行い、南東部リヨン(Lyon)では数十人の教員が学校の外で黙とうをした。

 ジャンミシェル・ブランケール(Jean-Michel Blanquer)国民教育相は3日、学校長らの労働環境が「満足のいくものではない」と認め、これについて議論する「用意がある」と述べた。(c)AFP/Sarah BRETHES avec les bureaux de l'AFP en région