【10月3日 AFP】毒キノコの中でも致死性が極めて高い「カエンタケ」が、自然の分布域である日本や韓国から数千キロ離れたオーストラリア北部ケアンズ(Cairns)郊外で初めて発見された。

 豪ジェームズクック大学(James Cook University)が3日、発表した。地元の写真家が見つけ、同大の菌学者、マット・バレット(Matt Barrett)氏がカエンタケと同定したという。

 バレット氏は、これまで知られているカエンタケの分布域を「著しく」拡大する発見だと述べた。

 鮮やかな赤い色をしたカエンタケは、日本や韓国の山間部に生えている毒キノコ。よく似た食用キノコや伝統薬に用いるキノコと間違って食べたり、煎じて飲んだりした人が死亡した事例が報告されている。食べると嘔吐(おうと)や下痢、発熱、しびれなど数々の「恐ろしい」中毒症状を発症し、治療しなければ多臓器不全や脳損傷から死に至る。また、触れただけで皮膚から毒素が吸収されるキノコとして知られているのは、カエンタケのみとされる。

 今回カエンタケを発見した自称「キノコマニア」のレイ・パーマー(Ray Palmer)氏は、この10年ほど地元ケアンズ周辺の熱帯雨林でさまざまなキノコを撮影してきたとAFPに説明。「この辺の熱帯雨林を散策して、キノコを撮っている人は他にいない。まだ、かなりの発見があるはずだ。もしかしたら数年のうちにも」と語った。(c)AFP