【10月3日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は2日、第17回世界陸上ドーハ大会(17th IAAF World Championships in Athletics Doha)で空席が目立っている状況を問題視しない姿勢を見せ、今後も新たな場所で大会開催を目指すと宣言した。

 今回の世界陸上は、会場のハリーファ国際スタジアム(Khalifa International Stadium)の収容人数を2万1000人まで減らして開催されているが、大会は3日目まで空席が目立った。

 一部の選手も振るわない観客動員に批判の声を上げ、初の中東開催の決定を疑問視しているが、コー会長はトラックで選手が見せたパフォーマンスで、スタジアムの空席問題はかすんだと強調した。

「われわれは満員のスタジアムを求めているし、それにチャレンジしなければならないが、ここで目撃している絶対的なクオリティーにも目を向ける必要がある」

 コー会長はドノバン・ブレイジャー(Donovan Brazier、米国)が優勝した男子800メートルと、カールステン・ワーホルム(Karsten Warholm、ノルウェー)が金メダルに輝いた男子400メートルハードルに言及しながら、「このレベルの世界選手権は長いことなかったと思う」と胸を張った。

 大会は先週末まで空席が目立ったが、先月30日と今月1日は客足が改善。コー会長は中東の緊張状態も客足に影響を与えているとして、「カタールにホスト国のチャンスを与えた5年前、この国が数々の問題に対処しなければならなくなると予見した人はいなかった」と続けた。

 またコー会長は、欧州の陸上強豪国でローテーション開催するのではなく、IAAFは今後も新たな場所で世界陸上開催を目指し続けるとしている。「グローバルな競技ならば、グローバルだと見られるようにしないといけない」 (c)AFP