【10月3日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)と米国務省によると、タリバンの創設者の一人で政治部門トップ、ムラー・バラダル(Mullah Baradar)氏が2日、米国のザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)アフガニスタン和平担当特別代表が滞在するパキスタンに入った。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がタリバンとの交渉を打ち切って以来初となる両者の会談が実現するかは不明。

 タリバンのザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官のツイッター(Twitter)投稿によると、パキスタンはバラダル氏にとって、ロシア、中国、イランに続く4か国目の訪問国。タリバン筋によると、2日夜に到着予定とされていた。

 米国務省の報道官は、ハリルザド氏について、先週国連総会(UN General Assembly)に合わせて行われたトランプ大統領とパキスタンのイムラン・カーン(Imran Khan)首相のフォローアップのため、同国の首都イスラマバードに数日間滞在中だと明らかにする一方、「こうした協議がアフガン和平プロセスの再開を意味するものではない」とくぎを刺した。

 バラダル氏は通常拠点とするカタールで1年近くにわたり、ハリルザド氏率いる米代表団と直接交渉を行ってきた。

 米国とタリバンの和平交渉は、タリバン側がさまざまな安全を保証する見返りに米側がアフガン駐留軍の撤退に着手するとの内容で合意間近だった。しかし、トランプ氏は先月、米兵1人が死亡したタリバンによる自爆攻撃を理由に挙げ、タリバンとの和平協議は「終わった」と突如として宣言した。(c)AFP