【10月2日 AFP】ロシア国境警備隊は2日、太平洋の自国海域に入った北朝鮮籍の漁船に発砲した。ロシア治安当局によると、漁師5人が負傷したという。

 ロシア極東沖ではここ数か月間、北朝鮮籍の船数千隻がイカの密漁を行っており、ロシア当局はいら立ちを募らせている。

 国境警備を担当するロシア連邦保安局(FSB)は公式ウェブサイトで、「国境警備隊による正当な要求に応じなかったため、漁船の一団のうち1隻の航行を阻止するために発砲した」と明かし、負傷した5人は治療を受けていると報告した。

 FSBは、この北朝鮮籍の船を拿捕(だほ)したとしている。ロシア当局は先月にも、北朝鮮の漁師数百人を拘束している。

 同域は日本、ロシア、北朝鮮、韓国の領海が接する場所で、漁業権をめぐる争いが絶えない。

 ロシアの地元住民は、粗末な木造船に乗った北朝鮮の漁師らが流し網で密漁していると批判している。流し網は、サケからアザラシまであらゆる海洋生物を無差別にとり、ダイバーにとっても脅威となり得ることから、ロシアでは2015年から使用が禁止されている。(c)AFP