【10月2日 AFP】英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)期限である10月31日が迫っている。だが、46年にわたる複雑な貿易関係を解消するための具体策はいまだ見いだせずにいる。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は1日、「間もなく」正式提案をEUに提出すると表明した。だが、EU加盟各国はジョンソン氏のこれまでのやり方に好意的ではなく、時計の針は刻々と進んでいるものの、多くの質問に答えが出されないままだ。

■離脱期限の延期

 英国のさらなる延期申し入れを英国以外の加盟国が満場一致で賛成しない限り、英国はEUを離脱することになる。

 ジョンソン氏は、3回目となる延長は行うつもりはないと繰り返し表明している。だが、英議会は、17~18日のEU首脳会議で新たな合意が結ばれなかった場合、EUに延期を要請するようジョンソン氏に命じる法律を可決した。

 ジョンソン氏は法律に従うことを約束したが、英国は何があろうとも10月31日にEUを離脱することに変わりはないと主張している。同氏の側近らは現在、ジョンソン氏が約束を破ることなく、合法的にこの法律を回避する方法を模索していると報じられている。

 この問題は、英最高裁に持ち込まれる可能性もある。

■離脱交渉

 ジョンソン氏が、議会の支援を得られる新たな合意にどうにかこぎつけられれば、期限通りの離脱の可能性も残っている。だが、これは骨の折れる仕事になる。なぜなら、EU各国首脳はジョンソン氏の離脱修正案をやゆしているからだ。

 新たな合意にこぎつけても、過去1年間ほぼ何も決められなかった議会を通過させるというさらなる試練が待ち受けている。

 与党・保守党は議会での過半数を失っている。離脱支持に回る可能性がある一部野党議員の支持に頼らざるを得ない状況だが、野党の大半はEU残留を望んでいる。