■感染症の危険も

 ブーニの女性たちは昔から、月経時には布を使っていた。AKRSPのブシュラ・アンサリ(Bushra Ansari)さんによると、月経にまつわるタブーのために多くの女性が布を屋外で乾かすのを恥と考えていたことに加え、湿った布は細菌の温床となることを知らずにいた。さらに同地域の医師によると、家族内で生理用の布を共有することも多く、泌尿器や生殖器官の感染症にかかる危険性が高いという。

 特に保守的なパキスタン北部では、学校で性教育は行われておらず、女性同士であっても家庭で生理を話題にすることはない。ユニセフの2017年の調査によると、パキスタンの若い女性の半数は、月経を迎えるまで生理についての知識が皆無だった。

 一方、都市部、とりわけ富裕層では状況は異なる。パキスタンで最もリベラルだと考えられている人口2000万人の大都市カラチ(Karachi)では、生理用ナプキンは高価だが入手は簡単だ。だが、いまだに多くの女性たちが、いやらしい目つきの店主に不安を感じ、夫に購入を依頼している。

 ある店主の男性(32)は、「夜遅く買いに来る人もいれば、別の地域に買いに行く人もいる」と語った。このような店では、生理用ナプキンは他の商品のように透明な袋ではなく、中が見えない袋に入れられる。

 女性の権利活動家シーマ・シェイク(Seema Shiekh)さんは、「月経はタブーとして扱われ、謎に包まれている」と語る。「どの男性にも姉妹や妻、母親はいるはずなのに」 (c)AFP/Joris Fioriti in Booni and Ashraf Khan in Karachi