【10月2日】米航空宇宙局(NASA)は1日、火星の地震活動、いわゆる「火震(marsquakes)」の音を捉えたデータを公開した。

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 火震は、2018年12月に火星の表面に設置されたドーム型の地震計「SEIS」が探知したもので、今年5月と7月にそれぞれ録音された。火震では、低いゴーッという音がするものの、音そのものは非常に小さく、人間の耳では聞き取ることが難しいという。今回公開されたデータは、速度を上げ、ヘッドホンで聞けるように加工している。1回目の火震はマグニチュード3.7、2回目は同3.3だった。

 科学者らは、火星内部での地震波の伝わり方を探ることによって、火星の深い部分の内部構造が明らかになると期待している。

 NASAのジェット推進研究所(JPL)は、「二つの音声は、火星の地殻が地球と月の地殻が混ざったようなものだということを示唆している」と説明し、「表面にクレーターがある火星では地震波が1分ほど続き、より月のようだと言える。地球の地震は秒単位だ」と指摘した。

 SEISはこれまでに約20回の火震を探知している。SEISは、NASAが2018年11月に火星に着陸させた無人探査機「インサイト(Insight)」によって設置されたもので、フランスの国立宇宙研究センター(CNES)などが開発した。

 NASAは、1回目の地震2回目の地震のデータをそれぞれインターネット上で公開している。(c)AFP