【10月2日 AFP】イラクで1日、首都バグダッドをはじめとする各地で大規模な抗議デモがあり、デモ隊と治安部隊の衝突によりデモ参加者2人が死亡、200人を超える負傷者が出た。保健当局が明らかにした。同国で新政権が発足して間もなく1年を迎えるが、不安定な政権に対する抗議デモは初めて。

 バグダッドでは1000人余りが抗議デモに参加。治安部隊が発砲や催涙ガスで群衆を追い散らした。保健省によるとバグダッドの抗議デモで1人が死亡、200人が負傷した。死傷者のうち民間人は160人だった。同省は他の詳細については明らかにしていない。

 医療・警察筋によると、負傷者の大半は催涙ガスを吸い込み治療を受けている。中にはゴム弾で撃たれて負傷した人もいた。

 ディカル(Dhi Qar)州の保健当局の話では、同州のデモ参加者1人が死亡、2人が負傷した。

 今回の抗議デモは、昨年10月末にアデル・アブドルマハディ(Adel Abdel Mahdi)氏が首相に就任して以降最大規模となった。新政権発足数か月前の2018年夏には、南部バスラ(Basra)で抗議デモが発生していた。

 同首相に対する不満はこの1年くすぶり続けていたが、バグダッドでは比較的、平穏が保たれていた。しかしさまざまな要因が重なり今週、市民の怒りが噴出したとみられる。(c)AFP/Ammar Karim