【10月2日 AFP】(更新)ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は2日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)に関する新たな協定案を提示する。英首相官邸が明らかにした。新協定案は「最終提案」となり、代替案は合意なき離脱となるという。

 首相官邸によると、ジョンソン氏は与党・保守党がイングランド北西部マンチェスターで開いている年次党大会の閉会演説で、「公正かつ合理的な妥協」の詳細を提示する予定。

 ブレグジットの期限はわずか30日後の今月31日に迫っている。ジョンソン氏はこれに先立ち英BBCテレビで、自身の政権がEUに「非常に良い案」を「間もなく」提出すると述べていた。

 ジョンソン氏は、新たな協定案にアイルランドとの国境沿いでの税関検査が盛り込まれるとの報道を否定。一方で、英国がEUの関税同盟と単一市場を脱退すれば、税関検査はいずれ「ただの現実」になると認めた。

 アイルランドのレオ・バラッカー(Leo Varadkar)首相は税関検査の実施計画を否定したジョンソン氏の発言を歓迎。計画が実現すれば、英政府が「誠実でないことを示す確固とした証拠」になる恐れがあったと指摘した。

 一方、ジャンイブ・ルドリアン(Jean-Yves Le Drian)仏外相はパリで、英国からの提案が受け入れられない状況の中では、合意なき離脱が依然として「最もあり得る」筋書きだとの見解を示した。

 事情に詳しい情報筋が1日、AFPに語ったところによると、日産自動車(Nissan)は合意なき離脱となった場合、キャシュカイ(Qashqai)新型車の英国での生産計画を見直す可能性があるという。キャシュカイは欧州で人気のスポーツ用多目的車(SUV)で、これにより同国北東部にある工場で働く数千人の雇用が危険にさらされる恐れがある。(c)AFP