【10月12日 AFP】ピーター・ベラビー(Peter Bellerby)さんは2008年、父親の80歳の誕生日に高品質な手描きの地球儀を贈ろうとしたが、見つけられなかった。そこで、自分で地球儀を手作りすることにした――これが、手描き地球儀の会社を始めるきっかけとなった。

 ベラビーさんの会社「ベラビー・アンド・コー(Bellerby and Co)」はわずか10年で世界中に知られるようになり、多くの注文が入っている。「私たちのように顧客と関係しながら特注の地球儀を作っているところは他にはない」とベラビーさんはAFPに語った。

 工房では、絵、色塗り、地図製作、組み立て、彫刻、木工を担当する職人約20人のチームが地球儀を作製していた。部屋のあちこちに製作途中の地球儀が転がり、頭上に張られたひもには地図が描かれた紙が干されていた。

 不動産開発会社に勤めていたベラビーさんにとって、街角の小さな店での手描き地球儀の事業は、こじんまりしているともいえる。当初は数えるほどの注文しかなかったが、今では1年で約600個の注文がある。ベラビーさんの地球儀は豪邸やヨットに飾られている。

 絵の担当と製図担当は顧客と相談し、地球儀の表面に何を描くかを決めていく。顧客の要望は動物や遠洋定期船など多岐にわたる。相談は数か月のこともあれば、時には数年に及ぶこともある。

 価格は小さいもので1200ポンド(約17万円)、大きいものでは7万9000ポンド(約1100万円)。地球儀の作製期間は大きさによって異なるが、数週間から18か月に及ぶ。作成過程は同社のインスタグラム(Instagram)のアカウントで公開されており、顧客は自分が注文した地球儀の進捗(しんちょく)状況を確認することができる。(c)AFP/Joe JACKSON