【10月9日 東方新報】中国自然資源部はこのほど「南極長城基地旅行活動申請指南(試行)」を発表し、中国が南極に建設している観測基地への観光訪問申請を受け付けることを明らかにした。旅行関連総合サービスプラットフォームの「馬蜂窩(Mafengwo)」によると、この指南が発表されて一週間で、南極旅行への関心が28%上昇したという。

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 南極旅行で一番経済的な方法はクルーズ客船利用で、価格は15万元(約227万円)から25万元(約378万円)。飛行機の直行便では60万元(約908万円)から70万元(約1059万円)前後はかかるという。自然資源開発部が長城基地への観光を開放したことで、価格は今後下がる可能性がある。

 中国はすでに南極観光旅行者が米国に次いで2番目に多い。2017年には南極観光旅行者はのべ5300人に上り、2016年比30.5%増だった。これは過去35年間で南極を訪れた科学者や調査隊チームの総人数を超えている。南極旅行者の57%が30歳以上で、年配の富裕層に人気という。

 長城基地は、1985年にキングジョージ島(King George Island)に開設された中国初の南極観測基地。40人の調査隊員が観測をしており14人が越冬する。

 今回の南極基地観光訪問申請開放によって観光客が急増した場合、南極の生態への悪影響を懸念する声もあがっており、長城基地には「南極条約」などの国際公約で決められた環境保護義務を履行し、旅行者への環境教育を強化していくことが求められている。(c)東方新報/AFPBB News