■汚染の原因として過小評価されている

 大西洋では、アジアの漁船の数は1990年代から大きく変化していないが、アジア、特に中国の貨物船の数は非常に増加しているため、ペットボトルは港で商船から廃棄されたものではなく、船外に投棄されたものだと研究チームは結論付けた。

 ライアン氏はAFPの取材に対して、「特定の産業部門の商船団が投棄しているとみられ、主としてアジアの商船団と思われる」と述べた。

 外洋のごみベルトは、元は何だったのか不明な物体の破片や、貨物船や漁船団で使用されたさまざまな製品でできており、船員らが飲み干したペットボトル以外に、漁網、ロープ、ブイ、木枠、たる、浮きなども含まれている。

「こうしたものは汚染の原因として過小評価されている」と、ライアン氏は述べた。

 一方、昨年の英科学誌ネイチャー(Nature)系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に掲載された論文によると、「太平洋ごみベルト(GPGP)」は、重量にしてその半分が漁網で構成されている。

 この論文を執筆した海洋学者のローラン・ルブルトン(Laurent Lebreton)氏はAFPの取材に、「プラスチック製の袋、ストロー、使い捨て包装などの使用をやめれば海を救えると誰もが話題にしている。それも重要だが、海に出て目にするごみは必ずしもそれだけとは限らない」と語った。(c)AFP/Ivan Couronne