【10月8日 CNS】中国・内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)ウランチャップ市(Ulanqab)四子王旗(Siziwang)で先月、設備単体ベースで世界最大級の陸上風力発電プロジェクトが始動した。

 同プロジェクト完成後、毎年約200億キロワット時(kWh)のエコな電気が北京・天津(Tianjin)・河北省(Hebei)エリアに送電され、標準炭600万トン分が不要となり、二酸化炭素1600万トンの排出が抑制できるとしている。

 プロジェクト始動当日の9月24日、内モンゴル政府と国家電力投資集団(State Power Investment CorpSPIC)の共同プロジェクトである「ウランチャップ風力発電基地」の第一期600万キロワット(kW)の起工式が催された。SPIC内モンゴル会社の劉明勝(Liu Mingsheng)董事長によると、同基地が完成した後、発電する500KVの交流電気は、エリアを跨いで遠く北京・天津・河北エリアに送電され、総投資額は約400億元(約6000憶円)とのことだ。

 劉董事長は「風力発電は本来補助金を得られるが、ここでは国にエコ発電の補助金を申請する予定はない。北京・天津・河北エリアに送電する電気は火力発電の電気と同価格に止め、価格の上乗せはしないので、平価で運営する風力発電基地となる」「毎年、国と地方政府の補助金24億元(約360億円)が不要となり、20年の経営期間で480億元(約7270億円)が不要となる」と語った。

 ウランチャップは北京・天津・河北の高電力消費エリアから距離が最も近い風力発電の重点基地だ。当地の風力エネルギーは大きく、風向が安定している。平原が多く、低い丘陵地帯のため、建設の難易度が比較的に低い。現時点で、同地域は最も大規模風力発電に適したモデル地区とのことだ。

 SPIC内モンゴル会社の劉建平(Liu Jianping)総経理によると、同プロジェクトの社会的効果が顕著で、科学研究機関や風力発電関連企業が当地で工場や支社や開発センターを建設するなど、少なくとも1000人を超える就業機会と50億元(約760億円)の売上が見込めるという。(c)CNS/JCM/AFPBB News