【10月1日 AFP】米ロサンゼルス市警(LAPD)が市内の地下鉄駅でオペラを歌うホームレスの女性の動画をツイッター(Twitter)に投稿したところ、その美声に大きな反響が沸き起こり、これまでに再生回数は30万回近くに上っている。

 ロス市警は9月26日に動画を投稿し、「立ち止まり、美しさに耳を傾けずにはいられない」とツイート。動画にはカートを引き、バッグを数個持った金髪のお下げ髪のホームレスの女性が地下鉄のホームに立ち、イタリアの作曲家ジャコモ・プッチーニ(Giacomo Puccini)のアリアの1編をソプラノの美声で歌う姿が映っており、動画を撮影した警官によると女性を見かけたのは偶然だったという。

 地元メディアはその後、この女性がエミリー・ザモルカ(Emily Zamourka)さん(52)であることを突き止めた。ザモルカさんは24歳の時にロシアから米国へ移住し、健康を損ねて貧困に陥る前は教師をしていたという。

 報道によるとザモルカさんはバイオリンとピアノのトレーニングは受けたことがあるが、オペラ歌手としての正式なトレーニングは受けたことがないという。

 ザモルカさんは地元ラジオ局KABCのインタビューに対し、「今は駐車場に段ボールを敷いて寝泊まりしている」「眠れるところでならどこでも眠る。同情してくれる人はいるけれど、誰の重荷にもなりたくない」などと語った。

 また、地下鉄で歌っていた理由については「音の響きがとてもいいから」と述べ、路上生活から抜け出し、屋根と楽器のある暮らしをするための支援を得られたらありがたく思うと語った。

 ツイッターユーザーの間からは『アメリカズ・ゴット・タレント(America's Got Talent)』などの公開オーディション番組や、有名トーク番組にザモルカさんを出演させるべきだとの声も上がっている。(c)AFP