【10月1日 AFP】トルコ・イスタンブールに住むアブドラ・ラスル(Abdullah Rasul)さん(35)は、中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)に住む家族とほとんど連絡をとっていない。自分の父親が死んだことが分かるまで3か月もかかった。

 ラスルさんは、自分から連絡を取ることで故郷の親族が当局から監視される恐れがあることを知っている。監視ですまないこともありうる。この状況は、中国から逃れた他のウイグル人らも同様だ。

 ラスルさんは、限られた連絡手段を使ってようやく断片的な情報を手に入れたが、その内容はゾッとするものだったという。

 中国ではフェイスブック(Facebook)がブロックされている上、ワッツアップ(WhatsApp)など他のアプリを使っていることがばれれば、恐ろしい反動が待っている。

 ラスルさんはAFPの取材に「最後に知らせを受けたのは2018年5月だった。母、二人の姉妹、長兄はみんな再教育施設に送られたと言われた」と語った。その時、トルファン(Turpan)市に住む父親が地元当局に面会に呼ばれ、そのすぐ後に亡くなったことも教えられた。

 中国は近年、新疆の主にイスラム教徒でチュルク語を話す少数民族ウイグル人に対する弾圧を強めている。人権保護団体や専門家は、ウイグル人やその他のイスラム系少数民族ら100万人以上が施設に収容されているとみている。

 中国政府は当初、こうした「職業訓練施設」の存在を否定していたが、今ではその存在を認め、宗教的過激主義者とテロリズムとの戦いに必要であると主張している。