【10月1日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がオーストラリア首相に対し、2016年米大統領選のロシア介入疑惑をめぐるロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官による捜査の信頼性を損なう目的で、情報収集を支援するよう要請したとの報道を受けて、豪政府報道官は1日、トランプ氏から支援要請があった事実を認めた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は9月30日、匿名の米当局者2人の話として、トランプ大統領がスコット・モリソン(Scott Morrison)豪首相と最近行った電話会談で、モラー特別検察官の捜査の信頼性を損なうための調査に支援を求めたと報じた。

 豪政府報道官は、同政府には「調査中の案件を解明するための取り組みを支援し、協力する用意は常にある」と述べ、「(モリソン)首相は(トランプ)大統領との会話の中で、その用意ができていることを再度確認した」と認めた。

 同紙は、両首脳による会話の書き起こしの閲覧をホワイトハウス(White House)が制限したと伝え、これはトランプ大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領による最近の電話会談に対して取られた閲覧制限と同様の措置だと指摘している。

 一方、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は、2016年の米大統領選にロシアが介入し、トランプ氏の勝利を支援したとする米情報当局の結論を崩す目的で、ウィリアム・バー(William Barr)米司法長官が国外で、外国の情報当局者と会合を重ねてきたと報じた。

 同紙によると、バー司法長官は豪首相へ接触した以外に英国の情報当局者と会っている他、先週はジョン・ダラム(John Durham)連邦検事と共にイタリアへ渡り、ロシア疑惑に関する調査見直しの支援を伊政府に要請したという。

 同紙は、トランプ大統領が職権乱用による弾劾と解任の可能性に直面している今、司法長官であるバー氏によるトランプ氏への政治的支援は、同じく職権乱用のリスクを冒していると指摘した。(c)AFP