【9月30日 AFP】ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は29日、中部マンチェスター(Manchester)で開幕した与党・保守党の年次党大会で党員らの歓呼に迎えられ、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)を「やり遂げる」と約束した。

 ジョンソン氏は先週、ブレグジットをめぐる議会閉鎖の決定が最高裁で違法と判断され、再開した議会でも採決で相次ぎ敗北するなど、厳しい立場に置かれている。

 しかしジョンソン氏は、EUとの合意の有無にかかわらず、来月31日の期限に離脱する方針を改めて強調。「英国がやらねばならないのは、前進することだ。その方法こそ、10月31日にブレグジットをやり遂げることに他ならない」と英BBCのインタビューに語った。

 ジョンソン氏の強硬姿勢は、「合意なき離脱」がもたらす悪影響を懸念する多くの保守党議員との間に軋轢(あつれき)を生み、議会での採決で造反者を出す結果となっている一方、7月の党首選で同氏を選出した離脱派の党員たちの間では共感を呼んでいる。

 近く総選挙が開かれるとの観測が高まる中、総選挙前最後と目される今回の保守党大会では、閣僚らが次々と登壇。2016年の国民投票で決まったブレグジットを断行できるのは保守党だけだと、繰り返し訴えた。

 ただ、合法的にブレグジットを達成するため10月31日までにEUと合意を取り付けるというジョンソン政権にとって最大のハードルをクリアする方法について、知見を提供できた閣僚は一人もいなかった。(c)AFP/Alice RITCHIE