【9月30日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の側近、スティーブン・ミラー(Stephen Miller)大統領補佐官は29日、トランプ氏こそが真の「内部告発者」であり、政敵である民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領の息子に対する調査を行うようウクライナに促したのだと主張し、大統領弾劾を進める民主党に対して形勢逆転を図った。

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 ミラー氏は「フォックス・ニュース・サンデー(Fox News Sunday)」のインタビューで、「米大統領こそが内部告発者だ」と述べ、今回のスキャンダルを明るみに出した匿名の内部告発者について「この人物は民主的に選ばれた政府を卑劣な手段で攻撃しようとする破壊活動家だ」として、「ウクライナの汚職スキャンダルの真相を突き止めることがアメリカの国益となる」と強調した。

 民主党が多数を占める下院は先週、トランプ氏が2020年の米大統領選でライバルとなる可能性のあるバイデン氏にダメージを与えることを狙い、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領に「マフィアのようなゆすり」を行ったとして正式に弾劾調査を開始した。

 トランプ氏と支持者らは、バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領の副大統領だったバイデン氏は、ウクライナのガス会社、ブリスマ・ホールディングズ(Burisma Holdings)の役員だった息子のハンター(Hunter Biden)氏を守るため、同国の検察トップを解任するようウクライナ政府に圧力をかけたと主張している。

 トランプ氏周辺からバイデン氏父子に向けられた疑惑の目にもかかわらず、これらの主張はおおむね虚偽であることが明らかにされており、バイデン氏父子がウクライナで違法行為や不正を行ったという証拠はない。(c)AFP/Emma CHARLTON