【9月30日 AFP】オーストリアで29日、総選挙の投票が行われ、中道右派・国民党(OeVP)が最多の議席を獲得し勝利が確実となった。これで前首相のセバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)氏(33)が首相の座に返り咲く道が開かれたものの、汚職スキャンダルにより前政権で連立を解消した極右政党・自由党(FPOe)は選挙で大敗し、同氏は厳しい連立交渉を迫られそうだ。

 開票結果の一部に基づく予測によると、クルツ氏率いる国民党の得票率は37%で前回2年前の選挙から約6ポイント増えた。ただ単独政権の発足には不十分となっている。

 今回の選挙では気候変動が有権者の最大の関心事となり緑の党が躍進、約14%の得票率を確保した。連立相手だった自由党は、得票率が16%と前回から10ポイント減り大敗を喫した。

 5月に明らかになった、スペイン・イビサ(Ibiza)島での衝撃的な汚職スキャンダル「イビサゲート(Ibizagate)」を受けて、国民・自由両党による連立政権はわずか1年半で崩壊し、今回の総選挙の実施に至った。(c)AFP/Julia Zappei and Jastinder Khera