【9月29日 AFP】オーストリアで29日、総選挙の投票が行われる。中道右派・国民党(OeVP)の勝利が確実視されているが、汚職スキャンダルによる極右政党・自由党(FPOe)との連立解消を受けての選挙のため、連立相手を見つけるのは困難とみられる。

 セバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)前首相(33)率いる国民党の得票率は約33%と2年前の選挙よりもわずかに増えるものの、単独政権の発足に必要な過半数には届かないとみられている。

 主要日刊紙プレッセ(Die Presse)は28日、クルツ氏は「得るものはなく、失うものが大きい」とする論説記事を掲載。さらに、「たとえ29日に議席を伸ばしたとしても、クルツ氏は2017年よりも難しいかじ取りを迫られる」と述べた上で、クルツ氏にふさわしい連立相手が存在しない点も指摘した。

 オーストリアの有権者数は640万人。投票は午前7時から午後5時(日本時間同日午後2時から30日午前0時)まで行われ、投票締め切りと同時に開票速報が出る見通し。(c)AFP/Julia ZAPPEI