【9月29日 AFP】エジプトで27日、アブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領の退陣を求める抗議デモが散発的に行われたが、まもなく解散させられた。一方、シシ氏の支持者らもカウンターデモを実施した。

 スペインに亡命中のエジプト人実業家モハメド・アリ(Mohamed Ali)氏が「100万人の行進」の実施を呼び掛けたことを受けて、警察はホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)元大統領の独裁政権を打倒した2011年のエジプト革命の中心地となった首都カイロのタハリール広場(Tahrir Square)につながる道を封鎖した。

 シシ大統領と軍の汚職を糾弾し退陣を求めるアリ氏の動画は、ソーシャルメディアで拡散している。

 目撃者がAFPに語ったところによると、カイロには厳戒態勢が敷かれていたにもかかわらず、金曜礼拝の後、約3000人がカイロのワラク(Warraq)島地区でデモを行ったが、警察に催涙ガスで解散させられたという。

 ソーシャルメディアには、混乱状態の現場で催涙ガスから走って逃れようとする人々を映した動画が投稿された。

 別の目撃者によると、エジプト南部の町クース(Qus)とケナ(Qena)市でも小規模な抗議デモが実施された。クース市では100人がデモを行い、シシ氏の肖像が入った横断幕を引きはがしたが、治安部隊が事態を収拾したという。

 シシ氏の支持者らも27日午後、カイロにあるアンワル・サダト(Anwar Sadat)元大統領の墓地近くでカウンターデモを実施した。AFP記者が現場で確認した。

 国連(UN)が市民社会団体の数字として発表したところによると、先々週末に始まったデモとその準備期間以降に身柄を拘束された人は2000人を超えている。拘束者の中には、弁護士や人権活動家、政治活動家、大学教授、記者も含まれている。拘束者の中にはすでに釈放された人もいる。(c)AFP