【10月2日 AFP】ゴーストライターの起用、スポーツ成績のでっち上げ、惜しみない「贈り物」――中国では入学あっせん業者らが、わが子の海外大学入学を確保したい裕福な親たちにこのような助言を与える。

 あっせんサービスの価格はかなり高額で、時には数万ドルもする。それでもあっせんビジネスは大にぎわいで、特に米国、英国、オーストラリアの高等教育機関が人気だ。

 中国の親たちの金に糸目をつけないさまは、今年、米国の大学を揺るがした入学スキャンダルで浮き彫りになった。ある中国人家族は、娘をスタンフォード大学(Stanford University)に入れるため、あっせん業者に650万ドル(約7億円)を支払ったことが分かった。また、別の親は子どもをエール大学(Yale University)に入学させるため120万ドル(約1億3000万円)を支払っていた。

 米ハリウッドのスターから企業の最高経営責任者(CEO)まで、名門大学に子どもを入学させるため賄賂を支払ったとして有罪となった。だが、中国の教育専門家は、海外の大学に子ども入れさせたいと思っている家族にこのような行為を助言することは珍しくないと話す。

 匿名を条件に取材に応じた元大学カウンセラーは、「大学入学の世界では、これは賄賂ではなく贈り物と呼ばれる。約1万ドル(約100万円)は最低額の方で、平均は約25万ドル(約2700万円)だ」と明かした。

 AFPが取材した入学あっせん業者の現役および元職員計6人のうち一人は、「誇りにできないことをやったことがある。成績証明書の粉飾方法や、スポーツ成績のでっち上げ方法を親に指導した。支離滅裂な小論文を専門家の手で大幅に書き直させたこともある」と告白した。

 フー・ラオ(Fu Rao)さん(16)の家族は、入学コンサルタントに25万元(約380万円)を支払った。その契約には、教授とのやり取りの仕方、高校の成績を「A」で埋めるために何を履修すべきか、アメリカンフットボールについての雑談の仕方などについての助言が含まれていた。