【9月28日 AFP】第17回世界陸上ドーハ大会(17th IAAF World Championships in Athletics Doha)は27日、男子100メートル予選が行われ、米国のクリスチャン・コールマン(Christian Coleman)は難なくトップ通過を果たし、金メダル獲得に向けて好スタートを切った。サニブラウン・アブデル・ハキーム(Abdul Hakim Sani Brown)は同組3位に入り、準決勝に進出した。

 同種目で今季最速タイムを記録している23歳のコールマンは、ハリーファ国際スタジアム(Khalifa International Stadium)で行われたレースでスタートから飛び出すと、最後は流しながらも9秒98でフィニッシュ。予選唯一の9秒台をマークし、同組で走ったイタリアのラモントマルチェル・ヤコブス(Lamont Marcell Jacobs)を10秒07の2位、サニブラウンを10秒09の3位に抑えた。

 全体では南アフリカのアカニ・シンビネ(Akani Simbine)が2位の10秒01、大会連覇を目指す米国のベテラン選手ジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin)が3位の10秒06を記録した。

 レース後、コールマンはぶっきらぼうに「最高だった」と話しただけで、不機嫌な表情で報道陣の前を足早に通り過ぎていった。同選手は、薬物検査に関して12か月間で3度にわたり「居場所情報」の申告を怠ったとして今大会への出場が危ぶまれていたが、処分を回避していた。

 コールマンは不正行為が確定すれば薬物違反と同等であるとみなされ、長期の資格停止処分を科される可能性があった。しかしながら米国反ドーピング機関(USADA)は、12か月間の計算方法を示した世界反ドーピング機関(WADA)のガイドラインに従い、同選手の疑惑を不問に付した。

 不正行為を完全否定しているコールマンは先日、これまで運動能力向上薬を使用したことは一度もなく、これからも絶対にないと断言していたが、この日はトラックでの走りで自身の意思を示した。(c)AFP