【9月28日 AFP】フランス北部ルーアン(Rouen)の化学工場で26日に発生した火災について、同国のアニエス・ビュザン(Agnes Buzyn)保健相は27日、住民らに対する健康上のリスクがないと保証することはできないと述べた。

 火災が起きたのは、工業用潤滑油や軽油用添加剤を製造する多国籍企業ルーブリゾール(Lubrizol)の工場。ルーブリゾールの所有者は、米投資家のウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏だ。

 地元当局によると27日までに鎮火され、火災によるけが人は出ていないが、刺激臭のある黒煙が周辺の22キロ圏内に広がった。市内では学校が2日連続で休校となり、27日もマスクをして歩く人々の姿が多く見られた。国営テレビのフランス3(France 3)は、ルーアンのスタジオとオフィスで一部の従業員が吐き気と嘔吐(おうと)を起こし、全員が退避したと伝えた。

 火災現場を訪れたビュザン氏は「市は明らかに汚染されている」と述べ、「危険性がないと保証することはできない。当然ながら炭化水素が残っている」と言明した。

 これに先立ち地元当局者は、大気や水道水から有害物質は検知されず、火災についての懸念はなくなったと住民らに向けて説明していた。(c)AFP/Chloé COUPEAU