【10月3日 CNS】中国・海南省(Hainan)の三亜理工職業学院(Sanya Polytechnic Vocational College)で9月21日、「退役軍人新入生入学式」が開かれ、600人以上の「ベテラン新入生」を迎えた。

 3年制大学の三亜理工職業学院は、自動車科、観光科、調理科などがあり、2万6000人近い学生が通っている。

 副学長の欧陽莉(Ouyang Li)氏によると、今年の秋入学で受け入れた639人の退役軍人は、ホテル管理、自動車検査とメンテナンス技術、観光管理(観光eコマース)などを専攻。現在も募集を続けていて、高校や専門学校などを卒業した退役軍人で、身分証明書があれば試験なしで応募できる。授業料は国が負担し、卒業後は全日制大学の学位を取得できる。

 元兵士の符迎春(Fu Yingchun)さんは2001年に軍を退役後、観光・サービス業界で働いてきた。経理を専攻し、「3年後、戦友や同僚たちと一緒に卒業証書を取得できることを願っています」と話す。

 中国政府は2019年、職業教育を行う3年制大学などの高等専門学校について試験方法を改革。より多くの高校卒業者、退役軍人、失業中の労働者、農民労働者らを受け入れるため、募集を100万人規模に拡大した。また、条件を満たした退役軍人には、高等専門学校入学を申請するよう通知している。

 海南省には20万人以上の退役軍人がおり、毎年3000人以上が新たな職業を得ている。海南省退役軍人事務局の担当者は「高等職業学校が退役軍人を受け入れることで、人材不足や構造的な雇用問題を緩和できる。産業構造の変革や経済の質的転換にも貢献できる」と説明。「何より重要なのは、退役軍人たちが大学に進学する願いをかなえ、退役軍人全体の教育レベルの向上につなげることです」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News