写真に写っているのはアフガニスタンの子供たちと握手を交わす一人の兵士の姿である。
当たり前のように銃を持った兵士がいて、戦車が街を過ぎてゆく。日本でのんきに暮らしている私からすれば考えられない状況だ。だからといって日本は平和でよかったとか、そんなことを言いたいわけではない。国や地域によって目指す平和の形は違っている。彼らにとって平和とは何か、私にとっての平和とは何かを改めて考えなければならない。誰かにとっての平和が、別の誰かの平和を奪ってはならないのだ。(ペンネーム:ふくすけ)

[東京電機大学]

[講評]加来賢一(AFPWAAディレクター)
写真を見ると「紛争地パトロール中のアメリカ軍兵士が現地の子供と握手を交わす。戦地におけるひとときの微笑ましい光景」といった印象を持つかもしれません。ただ、写真に添えられたキャプションを読むと「アフガニスタンにおける米軍主導の戦争において、数千人のアフガニスタン人が殺害され、米国は数千億ドルのコストを費やした…。」とあります。写真が描写している情景とその背後にある冷徹な現実について、レポートは「誰かにとっての平和が、別の誰かの平和を奪ってはならないのだ。」と結んでいます。写真が描写している情景と拮抗するかのごときタイトルのつけかたも極めて秀逸です。
(付記:この作品は AFPBB Newsサイト2019年10月末統計において20,000 PV を得ています。)