【9月27日 AFP】民主派による大規模な抗議活動が続く香港で26日夜、林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官との「対話集会」が初めて行われ、同長官に対し多くの批判が噴出した。時に暴力的事態も発生している抗議活動は数か月に及び、香港では同長官への怒りが広がっている。

 抗議デモが16週連続で行われる中、中国寄りの香港行政当局が市民との対話集会を開いたのはこれが初めて。この中で林鄭長官は2時間以上にわたり厳しい追及を受けた。

 林鄭長官は席上、同集会が広報活動の一環だとする批判を一蹴。自身が率いる香港政府に対する信頼が「崖から崩れ落ちた」と認め、自身が市民の話を聞くためにここにいると述べた。対話集会には2万人を超える市民が応募。当局によって抽選で選ばれた150人が参加した。

 スポーツ施設で行われた集会では質問が無作為に選ばれ、今夏の暴力的な抗議デモに比べると会場は融和の雰囲気に包まれた。しかし会場外では数千人が集まりシュプレヒコールを上げた。

 対話集会の大半の参加者は林鄭長官に、抗議デモでの警察による暴力疑惑やデモの対処法を調べる独立調査委員会の設置を要請した。発言の機会を与えられた30人のうち24人が香港政府を公然と批判。2人は中立的な発言をし、4人は現政府への支持を表明した。

 一方、林鄭長官が市民らに具体的に何かを提案できるかは明らかでない。同長官および中国は、抗議デモ参加者にさらに譲歩する可能性を否定している。(c)AFP/Jerome TAYLOR / Yan ZHAO