2019.09.28

CARS

F1ベルギーGP、イタリアGP、シンガポールGPでフェラーリ3連勝! ロシアGPにも期待!!

シーズン前半戦の悪夢を振り払うような快走に次ぐ快走。シャルル・ルクレールがスクーデリア・フェラーリを勝利に導いた。

「神さま、仏さま、シャルル・ルクレールさまぁ!」
残り数週、ルクレール駆るフェラーリSF90が猛追するボッタスのメルセデスを抑え込んでメイン・スタンド前を駆け抜ける度に、会場に響くイタリア語の実況アナウンサーは声も枯れんばかりの絶叫を繰り返す。ルクレールは見事に抑え切って、フェラーリのお膝元、モンツァで行なわれたイタリアGPに優勝。ちょうど1週間前、サマー・ブレイク明けに行われたベルギーGPに続いて、2戦連続でポール・トゥ・フィニッシュを飾った。メルセデス勢を力で抑え込んだ見事な勝利だった。これでルクレールはドライバーズ選手権で僚友ベッテルを抜き、ハミルトン、ボッタス、フェルスタッペンに次ぐ4位に浮上した。




シーズン開幕前、今年こそはの期待を抱かせたスクーデリア・フェラーリは、蓋を開けてみれば、まさかの失速。フェラーリ優位と目されたパワー・サーキットで行なわれたバーレーンGPでルクレールが勝利を掴みかけたものの、エンジンの電子制御系のトラブルで優勝ならず。以後はメルセデスとレッドブル・ホンダの後塵を拝し続け、中盤戦に入っても未勝利のまま。失意の底に沈みかけていた。


しかし、低ドラッグでストレート・スピードが速い今シーズンのSF90に最も相性がいいだろうと予想されていた2つのレース、スパ・フランコルシャンでのベルギーGPと、モンツァでのイタリアGPに力技で連勝。よもや未勝利のままでシーズンを終えてしまうのではないかというティフォシの悪夢を雲散霧消させてしまったルクレールは、スクーデリア・フェラーリの歴史に名を残すドライバーのひとりになったと、モンツァに詰め掛けたファンに確信させた。



F1挑戦2年目、アルファ・ロメオ・レーシングからスクーデリア・フェラーリに移籍した最初の年に、伝統あるクラシック・サーキットでの連勝。雨が確実視された天気さえも味方につけて、快晴となったモンツァで勝ったシャルル・ルクレールは、まさにフェラーリの救世主となった。




予選Q3セッション、終了間際。いつものように最後のタイム・アタックに出た各車は先行車のスリップストリームを利用せんものと位置取りに牽制し合い、まさかの時間切れで計測ならず。最初のアタックで暫定ポールを取っていたルクレールがそのままポール・ポジションに。スタート直後から終盤まで、メルセデスのハミルトンに猛追されて圧を掛けられ続けたが、渾身の走りで押さえ込むと、最終局面にはハミルトンに変わってアタックを仕掛けたボッタスをも押さえ込み。詰め掛けたティフォシを狂喜させた。



スロットル全開率の高いスパ・フランコルシャンでメルセデス勢をうっちゃり、ポール・ポジションを獲得したルクレールは、翌日、前座レースのGP2での友人の事故死という悲しみを乗り越え、猛追するメルセデス勢を抑え込んでトップを守り切り、F1初勝利を飾った。


文=齋藤浩之(ENGINE編集部) 写真=Ferrari S.p.A.


(ENGINE2019年11月号)
※記事は2019年9月8日取材時のものです。

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