【9月30日 CNS】中国・広東省(Guangdong)の深セン(Shenzhen)地下鉄は23日、同市の満60歳以上を対象に、顔認証による駅への出入りおよび無料での乗車が可能になるサービスを始めたと明らかにした。

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 乗客は、セルフ型の券売機で身分証明書の確認を済ませ、顔認証検証を済ませれば登録完了だ。地下鉄に乗る際には、直接、スマート検札機を通って駅に出入りできる。

 深セン地下鉄は現在、11号線の18の駅で1駅あたり少なくとも2台のセルフ式検札機を設置しており、乗客が有料エリア内外で使用できるとしている。利用客の多い「車公廟(Chegongmiao)」や「福田(Futian)」などの駅では8台以上設置。将来的には、セルフ式の検札機は深セン地下鉄の7路線の全駅で配置される予定という。

 顔認証乗車サービスは、騰訊(テンセント、Tencent)が深セン地下鉄と共同で20日から使用開始した。

 騰訊金融科技(Tencent Financial Technology)によると、顔認証検札は人工知能(AI)技術を用い、顔認証や指静脈などの複数の認証システムの組み合わせ、顔認証に要する時間はわずか0.3秒だ。同時に、顔認証アルゴリズムを用い、顔認証合格率は99.99%に達するという。

 各駅で顔認証サービス機を設置し、係員はネットワークの問題が発生した場合は、顔データベースでの検索を駅内検索に切り替え、ほかの乗客に影響が出ないようにするという。

 また、高齢者はスマートフォンの利用率が低いため、顔認証機能オンライン利用の初期においては、高齢者の使用に適したオフライン登録方式を採用するとしている。

 現在、セルフ検札機の対象は満60歳以上に限っているが、今後は、徐々にその他の無料使用者に広げ、テンセントもオンライン登録の機能を増やすとしている。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News