【9月26日 AFP】南米ボリビアの森林や草原地帯で数か月前から続く火災により、200万匹以上の野生動物が犠牲になったことが明らかになった。

 大規模な森林火災は、ボリビア東部チキタニア(Chiquitania)地方の熱帯サバンナに壊滅的な被害をもたらしている。サンタクルス大学(Santa Cruz University)のサンドラ・キロガ(Sandra Quiroga)教授は25日、チキタニアの生物学者らに問い合わせた結果として、「多くの保護区で焼け死んだ野生動物の合計は、推計で230万を超えるとみられる」とAFPに語った。

 火災の被害規模を調査している生物学者らによると、オセロット、ピューマ、ジャガーなど野生のネコ科動物、シカやラマ、アリクイ、アナグマ、バク、ネズミなど森林にすむ小動物やトカゲなどが焼死した。

 現地メディアが伝える映像には、くすぶる煙が漂う森の中に横たわる黒焦げになった動物の死骸や、火の手を免れた場所へと逃げていく鳥たちの姿が映っている。
 
 5月に燃え出した火災は8月末になって火勢が増し、8月以降に400万ヘクタール以上が焼失。被災した9県の中で最も被害が大きい東部サンタクルス(Santa Cruz)県では、トゥカバカ(Tucavaca)保護区の原生林100ヘクタールが完全に失われた。

 ボリビア当局は8月、ヘリコプター複数機に加え、大型空中消火機ボーイング747スーパータンカー(Boeing 747 Supertanker)とロシア製輸送機イリューシン(Ilyushin)を消火活動に投入。消防士や兵士、警官ら約5000人を動員したが、火はいまだ収まっていない。

 環境保護活動家らは、大規模火災の要因は、森林や牧草地を焼き払って農作物生産量を増やすよう奨励してきたエボ・モラレス(Evo Morales)大統領の左派政権下で制定された法律にあると非難している。(c)AFP