【9月27日 AFP】米民主党のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長が24日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の弾劾に向けた正式な調査を開始すると発表したが、これは危険な賭けともいえる戦略で、どのような結果をもたらすかは不透明だ。

 ペロシ氏はこれまで、トランプ氏の弾劾にあまり興味を示していなかった。だが、2020年大統領選のライバルである民主党ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領に関する調査を進めるようトランプ氏が圧力をかけたとの疑惑の発覚が、ペロシ氏に最後の一線を越えさせた。

 民主党は下院435議席中235議席を占めているが、そのうち150以上の議員が弾劾に向けた調査の開始を支持している。

 トランプ氏はこの動きに対しツイッター(Twitter)で、「大統領ハラスメント」であり「魔女狩りのごみ」だと非難している。

 これまで弾劾によって辞めさせられた大統領はいないが、弾劾の脅威だけでも大統領を失墜させることはできる。リチャード・ニクソン(Richard Nixon)大統領は1974年、ウォーターゲート(Watergate)事件により、弾劾裁判前に自ら辞任した。

 弾劾訴追された大統領はこれまでに2人いる。アンドリュー・ジョンソン(Andrew Johnson)氏は1868年、ビル・クリントン(Bill Clinton)氏は1998年、それぞれ下院で弾劾訴追されたが、上院で無罪と判断された。