【9月26日 AFP】イスラエルのレウベン・リブリン(Reuven Rivlin)大統領は25日、僅差に終わった17日の総選挙の結果を受け、右派政党リクード(Likud)を率いるベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相(69)に組閣を指示した。これを受諾したネタニヤフ氏は「大連立が必要だ」と訴えたが、首相の座にとどまるには厳しい交渉が待ち受けている。

 リブリン大統領は指示に先立ち、ネタニヤフ氏と中道連合「青と白(Blue and White)」を率いるベニー・ガンツ(Benny Gantz)元軍参謀総長による連立合意を目指し、政敵同士である両者と2回目の合同協議を行ったが、物別れに終わっていた。

 同大統領は安定した政府を築くには両者の連立が不可欠だと繰り返し述べてきたが、合意は実現できていないと明らかにした。

 ネタニヤフ氏は組閣指示を受諾した際、安全保障と外交上の課題に言及。「今こそ広範な大連立政権が必要だ」と改めて訴え、「それを樹立するために全力を尽くす」と述べた。

 しかしガンツ氏は、リクードがこれまで使ってきた交渉戦術を非難するとともに、「青と白」は重大犯罪での訴追に直面する首相と連立を組むつもりはないとの立場を改めて示した。

 ネタニヤフ氏は今後数週のうちに汚職容疑で起訴される可能性があり、10月初めには聴聞が行われる予定。「青と白」のメンバーらは、ネタニヤフ氏は汚職問題に対応し、少なくとも当面はガンツ氏に首相職を譲らなければならないと主張している。

 ネタニヤフ氏には28日以内の組閣が求められるが、この期間は2週間延長される可能性もある。組閣が失敗に終わった場合、リブリン大統領は別の人物に組閣を指示することになる。(c)AFP/Mike Smith and Michael Blum