【9月26日 AFP】イタリアサッカー界のレジェンドであるジャンニ・リベラ(Gianni Rivera)氏が、76歳にして欧州で最高位の指導者ライセンスを取得した。これにより、次に監督を解任したセリエAのチームを率いることになるかもしれない。

 イタリアサッカー連盟(FIGC)は、欧州サッカー連盟(UEFA)のプロライセンスに相当し、セリエAでの指導が可能となるイタリアの指導者資格を取得したメンバーを発表した。この中で、1969年のバロンドール(Ballon d'Or)受賞者で、欧州議会(European Parliament)の議員も務めたリベラ氏は、2006年W杯(World Cup)の優勝メンバーである元イタリア代表マウロ・カモラネージ(Mauro Camoranesi)氏と並ぶ「著名な顔ぶれ」の一人だった。

 イタリア監督協会(AIAC)の代表を務めるレンツォ・ウリヴェリ(Renzo Uliveri)氏は25日、伊紙ガゼッタ・デロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)に対し、「リベラはサッカー界の歴史を紡ぐのに貢献したが、再び受講者になるには十分謙虚だった。とても優れた受講者で、講習を一つも休まなかった」とコメントした。

 一方のリベラ氏は、国営イタリア放送協会(RAI)のラジオに対し「どのチームで監督をしたいかって? それはどのチームが私を招いてくれるかによる。監督は選ばれるもので、チームを選ぶというケースはほとんどない」と語っている。

 イタリア代表として1968年の欧州選手権(UEFA Euro)を制し、ACミラン(AC Milan)で2度の欧州制覇を成し遂げたリベラ氏はまた、トップチームでの指導に興味は抱いておらず、ただサッカー界の内部事情に「通じて」いたいだけだとガゼッタ紙は示唆した。

 しかしリベラ氏はこの報道に異議を唱え、機会さえあれば監督を務める準備はできていると主張した。

 クラブチームを率いる可能性について問われたリベラ氏は、「もちろんある。そうでなければ講習を受けなかった」と返答した。

 その華やかさから「ゴールデンボーイ」という愛称を持つリベラ氏はイタリア代表で通算14ゴールを挙げており、「世紀の一戦」と呼ばれる1970年W杯の準決勝では、延長戦で西ドイツから決勝ゴールを挙げチームの勝利に貢献した。

 ミランで約20年プレーしたリベラ氏は、3度目のセリエA優勝を置き土産に1979年に引退。その後、1980年代後半から長きにわたる政治家の道を歩み始め、国防省の次官を務めるなどイタリア議会でさまざまな役職に就いた。(c)AFP