■原子力施設への影響も

 魚の乱獲によって、マグロやウミガメなどのクラゲの天敵や、プランクトンを常食とする魚が偶然網に掛かることもある。捕食動物の個体数が減少すると、クラゲが餌とするプランクトンが増え、繁栄に歯止めが利かなくなる。

 さらにクラゲは、ブイや石油掘削装置など人工物を生息環境の一部としている。ソルボンヌ大のロンバール氏は「クラゲはプラスチックが大好きだ」と話す。わずか数センチのプラスチックごみでも、クラゲの繁殖コロニーとしての機能を果たすことができる。

 地球温暖化と海洋酸性化は一部の生物種に打撃を与えてきた可能性がある一方、クラゲには全く害を及ぼしていないと、パリ水族館のクルーテ氏は指摘する。

 クラゲの大量発生は、今でさえ人間の活動の妨げになっている。これは不用心な行楽客を刺すどころの話ではない。漁業や養殖業、淡水化施設にとって問題となっている他、原子力施設の冷却装置を詰まらせる可能性さえある。

 日本では、クラゲの重みで網が切れたり、転覆したりする恐れがあることから、クラゲが大量発生している場合には漁が中止されることもある。

 食用にするにしても単に駆除するだけにしても、クラゲを捕獲するという考えは実用的ではないと、IRDのキュリー氏は指摘する。「クラゲは急速に繁殖する」からだと言う。

 映像はパリ水族館に展示されているクラゲと同水族館の研究室で育てられているクラゲの赤ちゃん、23日撮影。(c)AFP/Laure FILLON