【9月25日 AFP】欧州司法裁判所(ECJ)は24日、米グーグル(Google)は欧州連合(EU)が定めている「忘れられる権利」をEU域外で運営する検索サイトに適用する義務はないとの判決を下した。ECJはEUの最高裁判所に当たる機関で、判決は重要な節目となる。

 この裁判は、EUのインターネット規制を域外にも適用すべきか判断する上で、極めて重要とみられていた。判決はグーグル側の勝利。

 同社は、EU法で義務付けられている検索結果の表示制限について、google.comなどEU域外の同社検索サイトに適用を拡大すべきではないと主張していた。

 判決は、EU加盟国の規制当局や裁判所が「忘れられる権利」の適用を求めたウェブページについて、グーグルなどの検索エンジン運営企業はEU内で運営する全サイトで検索結果への表示を停止しなければならないとする一方、EU外で運営する検索サイトにまで表示停止を拡大する必要はないと言明した。

 ただし、この問題をめぐる法廷闘争が今回の判決で完全に終結するかは不透明だ。

 フランスのデータ保護機関「情報処理・自由全国委員会(CNIL)」は判決について、世界全体での検索結果の表示停止を要請することが禁じられたわけではないと指摘。

 さらに「そのため、規制当局であるCNILには、個別の事案において当事者の権利保護のため正当化される場合、検索エンジン運営会社に対し、すべての検索サイトの検索結果上での表示停止を求める権限がある」とした。

 CNILは2014年以降、グーグルが世界で運営する検索サイトすべてに「忘れられる権利」を適用させようとしており、この動きがECJでの裁判のきっかけとなった。(c)AFP/Catherine KURZAWA