【9月24日 AFP】3か月にわたって民主派の大規模な抗議活動が続く香港の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官は24日、自身との対話集会に応募した市民が2万人を超えたと発表した。この対話集会では政府に対する「怒りを発散する」こともできると、同長官は話している。

 香港が1997年に英国から中国へ返還されて以降、中国による統治を最も大きく揺るがす事態となった今回のデモには、数百万人が路上に繰り出した。今回の対話集会はデモ開始以来、香港政府が市民に直接接触しようとする初めての試みとなる。

 林鄭長官は、26日に予定されているこの集会が、市民の意見を耳にする機会になると説明。「われわれは、さまざまな経歴、さまざまな政治的立場からの参加者が、自らの意見を自由に表明でき、怒りの発散さえできるようにすると約束している」と述べている。しかしデモ参加者らの中には、自らの要求は既に明白であるとして、集会には関心がないとする人もいる。

 対話集会には、応募した2万人以上の中から150人だけが無作為に抽出され、林鄭長官との2時間の話し合いに臨む。ただ傘やヘルメット、ガスマスクといった抗議に用いられる装備の持ち込みは認められない。

 同長官は、「今回の市民との対話が平和的で理性的、冷静な環境で行われることを願っている」と呼び掛けた。

 香港でのデモは17週目に入っており、これまでに数百回の集会が行われてきた。このうちの一部は、警察とデモ隊との暴力的な衝突にも発展。これまでに1500人以上が逮捕され、最年少では12歳の子どももいる。(c)AFP