【9月24日 AFP】(更新)スペインの最高裁判所は24日、長期独裁を敷いたフランシスコ・フランコ(Francisco Franco)総統の遺体を国の慰霊施設から移動させる計画の中止を求めていた遺族の訴えを棄却した。

 最高裁判所は「フランシスコ・フランコの遺体掘り起こしに関する遺族の上訴を棄却する」との判断を「全員一致」で下したと述べた。

 スペイン内戦(1936-1939)の終結を受けて同国を強権的に支配したフランコ総統の遺体は、首都マドリードから50キロメートルほど離れた慰霊施設「戦没者の谷(Valley of the Fallen)」内にある、山肌を削って建立された立派な聖堂に埋葬されている。

 だが、1975年の総統の死によって終わりを迎えた独裁政権をめぐり、同国では今も対立が続いており、遺体を移す今回の計画は世論を二分している。

 同国のペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相率いる政権は、スペインはフランコ総統を「美化し続ける」べきではないとし、墓の移転を優先課題に設定。

 同首相は24日、裁判所の判断を称賛し、ツイッター(Twitter)に「きょうはスペインの民主主義にとって素晴らしい勝利の日だ」と投稿。自らの政府は「フランコ主義の犠牲者らの苦しみを償う」決意だと述べた。(c)AFP