【9月24日 AFP】米フェイスブック(Facebook)をはじめとするソーシャルメディアの運営企業が23日、過激主義者の投稿を削除するために立ち上げた業界団体の仕組みを強化すると発表した。過激主義コンテンツに対処するための手続きを、世界レベルで整備したいとしている。

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 米ニューヨークの国連総会(UN General Assembly)でフェイスブックは、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相らと会合を開き、今回の新たな取り組みを発表した。アーダーン氏は、3月にクライストチャーチ(Christchurch)のモスク(イスラム礼拝所)2か所を白人至上主義者が襲った銃乱射事件を受けて、インターネット上の過激主義との戦いに取り組んでいる。

 アーダーン氏は取材陣に対し、「われわれは民間防衛的な仕組みをつくろうとしている。火事や洪水など自然による緊急事態への対応と同様、体制を整え、いつでも対応できるようにする必要がある」と話した。

 2017年には、フェイスブックと米ツイッター(Twitter)、米マイクロソフト(Microsoft)、米ユーチューブ(YouTube)が、ソーシャルメディア上の過激主義コンテンツに立ち向かう連合「グローバル・インターネット・フォーラム・トゥー・カウンター・テロリズム(GIFCT)」を立ち上げた。

 しかし、クライストチャーチの事件で犯人が犯行声明とみられる文書「マニフェスト」をソーシャルメディアに投稿し、襲撃の様子をライブ配信したことから、各社は再び批判を浴びることになった。

 今回の発表によると、GIFCTは独立した組織となり、事務局長の下に専任の職員が配置される予定。

 IT企業がGIFCTの運営委員会を主導する一方、非政府団体などが顧問委員会を率いるという。

 また、米国とフランス、英国、カナダ、ニュージーランド、日本の政府も、国連(UN)と欧州連合(EU)の専門家とともに顧問の役割を担う。

 フェイスブックによると、GIFCTは今後、オンライン上の暴力への扇動を防止するための策や、事件発生時にソーシャルメディア上での影響を減らす方法に関する研究に出資していく予定だという。(c)AFP/Shaun TANDON