【9月24日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は23日、ロシアが提出したモスクワ検査所のキャッシュデータに「矛盾」があったことを受けて、同国に対して3週間以内の説明を要求した。それができない場合、同国には2020年東京五輪を前に新たな制裁が科される可能性が浮上している。

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 ロシアは1月にモスクワの反ドーピング検査所から提出されたデータの中に、内部告発者によって引き渡された薬物違反の証拠が含まれていなかったと指摘され、その理由が説明できなければWADAから不適格とみなされる事態に直面している。

 一方、国際陸上競技連盟(IAAF)も同日、データ分析が終わるまでロシア陸上競技連盟(RUSAF)の資格停止処分を継続する方針を示し、同国にとってはさらなる打撃となっている。

 IAAFのセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は、カタールの首都ドーハで開かれた会合で、IAAFの作業部会からロシアの資格停止処分を継続すべきという「これまでで最も強いと思われる勧告」を受けたと明かした。

 RUSAFは2015年から資格停止処分となっているものの、ロシアの一部選手は数年間にわたり中立の立場で競技への参加が認められており、27日に開幕する第17回世界陸上ドーハ大会(17th IAAF World Championships in Athletics Doha)にも118選手が出場する予定となっている。

 ロシアがWADAからのさらなる制裁に異議を唱える場合、この問題は国際オリンピック委員会(IOC)を含む国際スポーツ団体の問題に決定権を持つスポーツ仲裁裁判所(CAS)に持ち込まれることになる。

 東京で開かれたWADAの常任理事会の後、AFPの取材に応じたオリビエ・ニグリ(Olivier Niggli)事務総長は、同機関が新たに抱いている懸念の裏付けとして、「内部告発者とロシアから提出されたそれぞれのデータを法医学専門家が精査したところ、いくつか矛盾点があったことが判明した」「その相違点を調べた結果、問いと答えが必要ないくつかの問題が生じる状況になった」と述べた。

 これに先立ち、WADAは提出データに改ざんが見つかった場合は「最も厳しい処分」を科すと警告していた。(c)AFP/Talek HARRIS, with Gregory WALTON in Doha