【9月23日 AFP】緊急医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は23日、エボラ出血熱の流行で2100人以上が死亡したコンゴ民主共和国におけるワクチン支給が十分でないとして、世界保健機関(WHO)を非難した。

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 MSFオペレーション事務局のイザベル・デフォーニ(Isabelle Defourny)局長は、「現在抱えている主な問題の一つは、WHOによってワクチンが支給されているが、危機的な状況にある患者のほんの一部しか保護されていないという事実だ」と指摘した。

 コンゴでは昨年8月8日以降、約22万5000人が独医薬品大手メルク(Merck)製のエボラワクチンの接種を受けた。しかしMSFは「接種を受けた人数は依然少なすぎる」と指摘している。

 デフォーニ氏は「現状では毎日ワクチン接種を受けているのは50人から1000人だが、最大2000人から2万5000人が受けられるはずだ」と訴えた。

 さらにMSFは、「保健省と連携してワクチン接種の機会を拡大させようとMSFでは努力しているが、WHOによるワクチン供給の厳格な制限が立ちはだかっている」とし、「いまだこうした制限が課されている理由は不明だ」と述べ、現在のワクチンは「安全性と有効性が立証されている」と主張した。

 一方、WHOはワクチン支給の制限について否定し、流行を止めるために「可能な措置は全て」とっていると主張している。(c)AFP