【9月23日 AFP】2018年に起きたライオン航空(Lion Air)機墜落事故の原因について、米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)は22日、インドネシア当局の調査報告が、米航空機大手ボーイング(Boeing)737MAX型機の設計上の問題と監督機関の過失に言及していると報じた。報告書はその他、パイロットの操縦ミスやメンテナンス上の問題も指摘しているという。

【図解】2度の墜落事故を起こしたボーイング737MAX8型機

 昨年10月、ライオン航空の737MAX型機はインドネシア首都ジャカルタを離陸直後に墜落。189人が死亡した。同紙によると、この墜落事故に関する調査報告書は11月上旬に正式発表される。

 737MAX型機をめぐっては、今年3月にもエチオピア航空(Ethiopian Airlines)の同型機が首都アディスアベバを離陸後に墜落し157人が死亡する事故があり、世界各地で同型機の運航が停止された。

 2件の墜落事故に関する予備調査ではこれまで、737MAX型機のために特別に設計された失速防止システム「MCAS」が原因として示唆されてきた。インドネシア当局による報告書には約100項目の墜落要因が挙げられており、米当局関係者が9月末にインドネシア入りし、報告書の内容について議論する予定。

 ウォールストリート・ジャーナルは本件に詳しい情報筋の話として、米運輸安全委員会(NTSB)がインドネシアの調査結果に異議を唱える可能性は低いが、ボーイングと米連邦航空局(FAA)は同報告書が「設計とFAAの認証上の過失を過度に強調する恐れ」があると懸念を抱いていると伝えた。(c)AFP