【9月23日 AFP】ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)に出場しているイングランドのエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)が、第2節の米国戦について、「15人のドナルド・トランプ(Donald Trump)」との戦いに向けて準備すると話した。

 札幌で22日に行われたトンガとの初戦に35-3で勝利したイングランドだが、神戸に舞台を移す26日の米国戦までは4日しか準備期間がないのに対して、米国はイングランドとの試合がチーム開幕戦となる。ラグビー界での米国は、地政学上での超大国としての地位とは異なる中堅に位置しているが、それでもエディーHCは、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで有名な米大統領と同じ、猛烈な相手との戦いになることを予想している。

 エディーHCは「W杯の試合はすべて見ているが、今私が気にかけているのは米国だけ」「私が唯一関心を持っているゲームは米国戦だ」とコメントした。

「彼らが2週間前から沖縄入りして準備を進めているのは知っているし、試合開始から全開で来るだろう」「15人のドナルド・トランプが出てくるような試合になるだろうし、われわれも自分たちの仕事をしなくてはならない。トンガとまったく同じように、米国も全力を振り絞ってくるはずだ。こちらも全力で迎え撃たなくてはならないから、そうした姿勢は大歓迎だ」

 ジョーンズHCは、母国オーストラリア代表の指揮官として2003年のW杯でチームを準優勝に導き、アドバイザーを務めた南アフリカでは4年後に優勝を経験、そして日本を指揮した2015年大会では南アを撃破と、豊富な経験を持つ。

 初戦のトンガ戦では、相手にトライを許さず、ボーナスポイントも獲得しての勝利を収めたが、チームは最高の出来ではなかった。しかしエディーHCは、米国戦ではもっと完璧な勝利を収めて強さを「アピール」する必要があるのではという質問に対して、「その必要はない」と答えている。

「W杯はアピールの場ではない。目標を頭に入れて前進することがすべて、ベストな状態はベストであるべきときに見せられればいい」「アピールはあなた方(メディア)が求めていることだ。私ではない」

 エディーHCはこれまでもトランプ米大統領をからめた例えに縁があり、2017年にはスコットランドの名将ジム・テルファー(Jim Telfer)氏から、「エディー・ジョーンズは相手を倒そうと思っていない。相手を破壊したいと思っている。私にはそれが少々残念だ」「彼の話し方は、ドナルド・トランプに少し似ている。偉大な人物になりたがっている」と言われた。

 逆にエディーHCの側も昨年、イングランドのクラブチームのオーナーを務める実業家、ブルース・クレイグ(Bruce Craig)氏から代表合宿で選手の負傷が続出したことを批判され、クレイグ氏に「ラグビー界のドナルド・トランプ」のレッテルを貼った。(c)AFP/Julian GUYER