【9月23日 AFP】男子テニスのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は22日、世界ランキング1位になったかつての姿に戻ることができると考えるのは「甘いし、浅はか」だと話した。

 四大大会(グランドスラム)通算3勝のマレーは、1月に股関節の手術を行い、復活への長い道のりを歩んでいる。現在は痛みから解放され、これからの3週間で中国で3大会に出場する予定となっており、その皮切りは珠海選手権(Zhuhai Championships 2019)となる。

 現在世界413位のマレーは、現在のリハビリ期間を自身がどのレベルまで戻れるかを占う重要な時期と考えているが、長い闘いになるのは分かっているという。

「正直に言うと最高の状態に戻ることは期待していない」「そうなれると考えるのは少し甘いし、浅はかだと思う」「テニスに関して言えば、技術的にはまだ最高のレベルで戦える手ごたえがある。問題は、肉体的にトップの相手と戦うレベルにたどり着けるかどうかだ」

「その点で言えばまだ先はかなり長いが、どこが終わりなのかは、はっきりと分かっていない」「進歩しなくなった時が、けじめをつける時かもしれない。そうなった時には、(将来について)決断を下さなくてはならない。もしきょう成長が止まれば、今のレベルでプレーしていてもうれしくないだろう」

 2016年に世界1位になったマレーは、今週行われる珠海選手権の初戦で同69位のテニス・サングレン(Tennys Sandgren、米国)と対戦する。シングルス復帰2戦目となった8月のウィンストンセーラム・オープン(Winston-Salem Open 2019)で、マレーは接戦の末にサングレンに敗れている。

 その後、マレーはフィジカルの向上を目的に下部ツアー大会のラファ・ナダル・オープン(2019 Rafa Nadal Open Banc Sabadell)に出場。3回戦で無名のマッテオ・ヴィオラ(Matteo Viola、イタリア)に敗れたものの、4日間で3試合を戦っても問題がなかったことに喜んでいた。

 復活の道のりを楽しんでいると話すマレーだが、一方でテニスから離れた数か月で考え方が変わり、今は引退が「楽しみ」だという。

「テニスは常に人生の大部分を占めてきた。だが、テニスから離れている間に、健康こそが幸せな生活のために最も大切なことだと気付いた。自分はテニス選手の後の人生がどういったものになるか、いつも不安だったかもしれない」

「ここ数か月の間に引退後の人生を垣間見ることができたし、それは素晴らしいものだった」「痛みもなかったし、今までやらなかったことをたくさんした。家族や友人と過ごしたりして最高の時間だった」「なので最終的にプレーをやめる時を楽しみにしている。だが痛みのない間はテニスを続けていこうと思う。楽しいからね」 (c)AFP/Peter STEBBINGS