【9月22日 AFP】エジプトで21日、首都カイロを含む複数の都市で、アブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領の退陣を求める異例の反政権デモが前日に続いて行われた。

 北東部の港湾都市スエズ(Suez)では、大勢のデモ隊と治安部隊が衝突。デモ参加者らによると治安部隊はデモ隊に向けて催涙弾や実弾を使用した。

 カイロでは、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)元大統領の独裁政権を打倒した2011年のエジプト革命の中心地となったタハリール広場(Tahrir Square)に引き続き厳戒態勢が敷かれた。

 エジプトでは、2013年のクーデターでイスラム組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」出身のムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領が失脚した後、事実上、法律で反政権デモが禁止されたため、こうしたデモは異例だ。

 しかし、シシ政権は2016年、国際通貨基金(IMF)から120億ドル(約1兆3000億円)の融資を受けるプログラムに合意。その一環で厳しい緊縮財政を導入したため、国内物価が上昇し、国民の不満が高まっていた。

 2夜連続となった21日のデモでは、スエズの市中心部に向かっていたデモ隊を、道路を封鎖した治安部隊や装甲車が待ち受けた。デモ参加者の男性がAFPに語った情報によると、治安部隊員は200人ほどで、催涙弾やゴム弾、実弾を発射し、負傷者が何人か出たという。

 シシ氏は現在、国連(UN)総会で演説するためニューヨークを訪問中で、エジプトにはいない。(c)AFP/Farid Farid