【9月22日 AFP】世界最大の熱帯雨林アマゾン(Amazon)が炎に包まれる中、米ニューヨークで24日、国連総会(UN General Assembly)が開幕する。ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領が最初に演説し、アマゾン火災を中心に話すとみられている。

【関連記事】ブラジルが野焼き禁止令 アマゾン森林火災、効果に疑念も

 この火災をめぐっては先月、世界各国から抗議と支援の申し入れが相次いでいた。

 ブラジル国立宇宙研究所(INPE)が公開した最新の衛星データによると、アマゾンの60%が属するブラジルでは1月以降、13万1600か所で火災が発生した。

 火災のほとんどは、農地・牛の牧畜用地開拓を目的とする人間によって引き起こされたもので、熱帯雨林に深刻な影響を与えている。1月1日にボルソナロ大統領が就任して以降、アマゾンの森林破壊ペースは倍増し、1時間にサッカー場110面相当の森林が失われる勢いとなった。

 気候変動懐疑論者のボルソナロ氏は先月、アマゾン地域の消火活動を支援するため軍を派遣。ブラジル国防省によると、兵士7000人近くと航空機16機が消火活動に加えて「森林破壊と違法採掘」対策を実施している。20日には、1か月の派遣延長が決定された。

 国防省によると、消火活動には米国の専門家や日本の物流機器、チリの航空機4機も投入されており、イスラエルの消防隊も現地に向かっているという。

 しかし、国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)ブラジル支部のマルシオ・アストリーニ(Marcio Astrini)氏は、軍の派遣はほとんど効果がないと指摘している。(c)AFP/Pascale TROUILLAUD