【9月21日 AFP】タイ西部の通称「トラ寺院」から繁殖施設に移送されたトラ80頭以上が病死したことを受け、施設の職員らは20日、生き残っている数十頭のトラが死なないよう全力で保護に取り組んでいると述べた。

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 カンチャナブリ(Kanchanaburi)県にある仏教寺院「タイガーテンプル(Wat Pha Luang Ta Bua)」には、トラと一緒に写真撮影ができるとして長年、大勢の観光客が訪れていたが、トラが搾取されているとの指摘が相次いだことで、当局は2016年、トラを近くの繁殖施設2か所に移送した。

 専門家らは、移送されたトラ147頭のうち、今週になって86頭が死んだとして、一般的に犬に感染する犬ジステンパーウイルスに感染したことが原因だと指摘している。

 施設代表は20日、報道陣に対し、トラは症状別に分けられていると説明。「重い症状を持つトラたちに関しては、できるだけ長生きするように獣医師が治療を行う予定だ」と述べた。

 施設の別の場所に設置された囲いの中には一部のトラが収容されており、「トラたちがリラックスできるように」広い庭を設置する予定だという。(c)AFP