【9月21日 AFP】首都カイロを含むエジプトの複数の都市で20日、アブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領の退陣を求める小規模デモが実施されたが、警察により直ちに解散させられた。AFP記者が確認した。エジプトでの反政権デモは異例。

 長年にわたる独裁政権を打倒した2011年のエジプト革命の中心地、カイロのタハリール広場(Tahrir Square)周辺では夜にデモが実施され、数十人が参加した。

 反政権デモは、イスラム主義者のムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領が2013年のクーデターで失脚した後に可決された法律で事実上禁止されているため、異例の出来事となった。

 現場のAFP記者によると、タハリール広場周辺で参加者少なくとも5人が逮捕され、警察がデモ隊に向かって催涙弾を発射した。

 2013年のクーデターを率いた軍出身のシシ大統領の下で、当局は反体制派に対する大規模な取り締まりを実施。多数のイスラム主義者だけでなく、宗教とは無関係の活動家らや人気ブロガーらも拘束してきた。

 今回のデモは、スペインに亡命中の同国の実業家モハメド・アリ(Mohamed Ali)氏によるシシ政権打倒の呼び掛けを受けて実施された。アリ氏は今月初めからスペインで動画を投稿・拡散し、汚職に手を染めているとしてシシ氏と軍を非難してきた。(c)AFP