【9月21日 AFP】20日に行われたラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)の開幕戦で、日本は30-10でロシアから勝利をもぎ取った。この試合で主将リーチマイケル(Michael Leitch)は、チームの緊張感を解くのに重要な役割を果たし、第二の故郷から根強い人気を誇るリーダーであることを証明した。

 ニュージーランド出身で15歳のときに北海道・札幌市に留学し、現在は東京でカフェを経営しているリーチは、アジア初開催となる歴史的なW杯に向けて練習に臨む中、「あらゆる場所」でメディアからの注目度の高さに驚かされたと話していた。

 リーチは試合後、日本の国民からの高い期待を背負いながらプレーすることに対して緊張感に包まれていたのは自分だけでなく、選手たちの表情からもチームが「100パーセント」ナーバスになっていたと認めた。

 日本は序盤のミスからロシアのキリル・ゴロスニツキー(Kirill Golosnitskiy)に先制を許した後、それ以上の失点を食い止めながらもロシアに主導権を握られた。

 試合開始のキックオフで自らボールを捕り損ねる失態を演じたリーチは、「選手たちの顔を見てコミュニケーションをとっていた。初っぱなに(自分が)ミスをしてしまったから(文句は言えなかった)」とジョークを飛ばした。

 日本は、松島幸太朗(Kotaro Matsushima)の2トライでどうにか12-7でリードして前半を終了すると、後半、田村優(Yu Tamura)のペナルティーゴールとピーター・ラブスカフニ(Pieter Labuschagne)のトライでリードを広げ、最後は松島がW杯開幕戦史上初となるハットトリックを達成して勝利を手にした。

 6月に行ったAFPの取材で、チームの目標は単純に「プールステージ突破」と話していたリーチは、開幕戦ではチームに対して、この4年間で徐々に膨れ上がっていた重圧に打ち勝つように何度も繰り返し言っていたといい、「満足している。自分たちの殻に入らずプレーを続けていくという高い回復力を示すことができた。身を粉にして戦わなければならなかったが、次のアイルランド戦に向けて、正しい位置にいると思う」と語った。

「チームはかなり緊張していて、試合に集中する必要があった。試合に勝てて本当にほっとした」 (c)AFP